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BS特集 「リサ・ランドール 異次元への招待」

「私たちの暮らす3次元空間が、目には見えない異次元の世界に取り囲まれている」。

アメリカの理論物理学者リサ・ランドール博士と共同研究者が、1999年、こんな異次元理論を発表しました。5次元時空の存在を数式によって理論化した博士は、一躍脚光を浴びることになります。しかもこの理論、今年末から本格始動するジュネーブの大型素粒子加速器実験でその有効性が立証されるかもしれないというのです。
リサ・ランドール博士は、2007年のタイム誌「世界の100人」に選ばれました。その活動の範囲は研究に留まらず、博士が一般の読者に向けて書いた『ワープする宇宙』は全米でベストセラーとなり、邦訳も今年6月に出版されました。 そんな博士が7月に来日しました。東京大学小柴ホールでの講演では、聴衆を前に自ら異次元理論の講義を行い、その後の脳科学者茂木健一郎氏との対談では、博士のインスピレーションの秘訣が語られました。
来日中の博士には、日本の若い物理学者との交流もありました。

果たしてブラックホールはLHCで人工的に作り出せるのか?
多くの理論が実証不可能になってしまっている物理学の現状をどう思うのか?
研究が行き詰った時はどうするのか?

最新の物理学の動向から研究者としての心構えまで、後進の科学者からの問いかけに真摯に答えながら、博士は日本の若者たちへメッセージを残しました。

ディレクター:後藤 和子  AD:服部 隆志 / プロデューサー:藤枝 融