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BS世界のドキュメンタリー シリーズ1989からの出発 第2回「ルーマニア〜流血革命より20年〜」

東欧で唯一の流血の惨事となったルーマニア。1989年12月、10万を超える民衆がブカレストの広場を埋め、独裁者チャウシェスクの退陣を迫る。市街戦では1000人以上に及ぶ人が犠牲となりチャウシェスク大統領夫妻は銃殺刑となった。ところが、共産主義からの脱却と民主化を求めていた国民の期待は革命翌年から裏切られる。「革命後、始まったのは国家資本主義だった」(革命に参加した詩人)。指導部は共産党の陰を引きずり、秘密警察ファイルの公開にも及び腰。かつて革命に参加した人々は現在もなお抗議の声を上げ続けている。言論の自由を取り戻し、2007年には悲願のEU加盟にこぎつけたが、独裁政治に首までつかっていたルーマニアの民主国家への苦闘はまだ続いている。流血革命から20年、ルーマニアの激動を探る。