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BSプライムタイム「攻防 国連 軍縮外交 〜舞台裏の30日〜」

毎年国連総会「第一委員会」では、国際社会の軍縮問題が議論される。2003年、その外交交渉の最前線に初めてカメラが入り、議場の舞台裏で非公式に行われる軍縮外交の攻防を追った。

<番組詳細>

戦争のない平和な世界はいつになったらやってくるのか? 困難で、厳しい道を探るため、毎年国連総会「第一委員会」では、国際社会の軍縮問題が議論される。2003年、その外交交渉の最前線に初めてカメラが入り、議場の舞台裏で非公式に行われる軍縮外交の攻防を追った。

日本政府代表団を率いるのは、軍縮会議大使・猪口邦子さん。およそ10人の外務省職員と共に会議に望む。猪口さんは上智大学で国際政治の教鞭をとる、言わば「学者大使」。研究者として身につけた知識や理論を駆使して、議場やその裏舞台で外交交渉を積み重ねていく。「議場は生き物」という猪口大使の言葉通り、第一委員会は、各国が国益を巡り、激しくしのぎを削る場であった。交渉はしばしば議場を飛び出し、レストランやカフェでも繰り広げられた。

2003年、日本は3つの決議案を提出した。日本が議長を務めたジュネーブ軍縮会議の成果を報告する決議案。ヒロシマ、ナガサキといった核の惨禍を二度と繰り返さず、究極的核廃絶を目指す「核廃絶」決議案。そして、紛争犠牲者の9割を占める小型武器をコントロールしていこうという「小型武器」決議である。

この3つの決議案にたいして、国際社会から圧倒的多数の支持を取り付けるのが、日本の大きな目標だ。決議案をめぐり、文言の修正や削除を求める国々と外交交渉を続けながら、賛成票を投じてくれるよう働きかける。

果たして、日本の核廃絶決議案は国際社会でどれほどの支持を集め採択されるのか?賛成票獲得に向けた軍縮外交の攻防を追いながら、国際社会の軍縮の ゆくえと日本外交の現状と課題、さらに外交交渉とは何かを浮き彫りにする。

撮影:森山豊、千葉孝 / 音声:菅沼一路 / 音響効果:増子彰 / 編集:山根幸太郎 / コーディネーター:阪本泉 / 取材:藤崎みさき / 構成:大久保瑞穂 / プロデューサー:松井秀裕