過去の作品

飛び出せ!定年 「おれがやらねば誰がやる」

会社という組織のなかで頑張ってきたお父さんたち。そこで抱いた使命感をもって、第二の人生で仕事を極めようとしている人がいます。

寒風吹きわたる北海道えりも町。大病院での医師を辞め、この北国の診療所にやってきたのは清水公男さん(58歳)です。人口およそ6000の町に医師は清水さんを含めて3人。清水さんが勤める診療所ではそれまで医師が不在でした。一日の患者数は15人〜20人、診察はすべて清水先生が請け負います。大病院とはまったく違う環境、患者とじっくり向き合うなかで医者の原点をみつけたいと清水さんは考えます。辺地での医療、その決断を聞いて真っ青になったのは妻の美砂子さん(54歳)。しかし、この夫の決断は美砂子さんにとっても転機となりました。

北海道中札内村でチーズ店を営む赤部紀夫さん(66歳)。家族で作り上げた自慢のチーズが店に並びます。紀夫さんがチーズと出会ったのは50歳を過ぎてから。当時勤めていた会社がチーズ製造にのりだしたのがきっかけでした。会社のチーズ事業打ち切りを機に、「おれのチーズを作る!」と独立を決意。定年まであと半年というところで脱サラをしての挑戦です。妻の久子さん(61歳)と息子が仲間に加わって、家族3人でチーズ店をオープンさせました。オープンから6年、チーズ作りを通して、いま、家族の絆も熟成期間を迎えています。

リポーターにジャーナリストの高野孟さん。

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