過去の作品

素敵な宇宙船地球号 「シリーズ日本の食2008 vol.1 フードバンクの挑戦」

「おにぎり食べたい」…。昨年、こんな日記を残して、男性が餓死するという事件が北九州市でありました。その日の食べ物に困る人がいる一方で、毎日大量の食べ物が捨てられている言わずと知れた飽食の国・ニッポン。家庭と事業者を合わせると実に年間2,320万トンもの食品廃棄物が出ています。

そんな矛盾したニッポンの現状に、フードバンクで孤軍奮闘する1人のアメリカ人男性がいます。フードバンクとは、企業から提供された食品を、それを必要とする人のもとへ無償で届ける仕組み。引き取る食品は、箱の傷やラベルの汚れなどといったことを理由に廃棄処分されるはずだったもので、賞味期限も来ていない中身には全く問題のないもの。路上生活者や福祉施設などへ送り届けながら、フードバンクは捨てられるはずだった食べ物を再生させます。

食料自給率が39%しかない国が、本来まだ食べられる食品をなんでわざわざ捨てるのか。賞味期限偽装の話題ばかりが、かまびすしい今、フードバンクの活動を追うことで、そんなニッポンの矛盾も考えてもらえればと思います。

ディレクター:東島 由幸  AD:服部 隆志  /  プロデューサー:山根 幸太郎