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地球特派員2007 「拡大EUのフロンティアで 〜新加盟ルーマニアの光と影〜」

2007年1月1日、EU(欧州連合)に新たにルーマニアとブルガリアが加盟した。
95年に主な西ヨーロッパ諸国が参加、その後2004年には東欧を含む10カ国が加盟、
そして今回2カ国が加わりEUは27カ国体制となった。
EU人口はおよそ4億9000人。GDP合計ではアメリカをしのぐ世界最大の経済圏である。
その最前線に位置し、EU加盟まもないルーマニアを、ジャーナリストの江川紹介子さんが取材。
現場に立ち、大きく変貌するルーマニアの実態と人々の声を伝える。

EU加盟に伴う経済成長への期待から、今ルーマニアは建設ラッシュに沸き、外資系企業も続々と進出するなど急速な発展を遂げている。
市民にとっては関税なしで流入してくる安い商品、物珍しい商品が魅力的だ。
しかしその一方で、より多くの収入を求めてEUの豊かな国に働きに出る者も急増。出稼ぎで残された子ども達のメンタルケアや、国内の労働力不足といった問題を抱えている。
また農業においても厳しいEU基準が定められ、大きな変革を迫られた農民たちに困惑が広がっている。
さらにルーマニアと隣国モルドバ共和国との間には、EUの内側と外側を巡った深刻な外交問題が生じていた。

スタジオゲストの森永卓郎さん(経済アナリスト)と共に、EU新加盟のルーマニアの光と影を見つめ、拡大により大きく揺れるEUについて考える。

ディレクター:後藤 和子    AD:柴崎 太久郎  / プロデューサー: 藤枝 融