２００４年６月、衛星ハイビジョン局放送は本格運用を開始してから１５周年を迎える。 BS1はこれまで“世界への窓”として、激動する世界をニュース・ドキュメンタリー として伝えてきた。番組では、これまでに放送された３０００本あまりの作品の中から、 「生々しい現場」や「時代の空気」を捉えた印象的なシーンやインタビューを選出。開始 直後の天安門事件からソ連崩壊、湾岸戦争、EU統合、９・１１テロ、アフガン攻撃、イラ ク戦争など、数々の危機や歴史の転回点に迫った番組を元に、取材者や当事者が見つめた “時代の深層”や“時代を超えた真実”を２夜にわたって読み解く。

第二夜　迷走する世界、そしてアメリカ 　
BSの２１世紀最初の放送は、２００１年を迎えるニューヨークのカウントダウンだった。 この年の９月、世界を震撼させた同時多発テロが起こる。冷戦終結後、唯一の超大国アメリカの影響力が増したことは、世界に新たな不安と悲劇を生み出している。第二夜は、ビンラディン登場と９・１１に至る過程をアフガニスタンで克明に追った記録や、イラク戦争で揺れ動くアメリカ国内の市民感情を丹念に取材した番組など、世界とアメリカが迷走し始めた軌跡を明らかにし、時代を問い直す。