エジプトの状況や、今回の革命を「世界的なイスラムの宗教改革の一環である」と看過する学者がいる。アメリカの宗教学者レザー・アスラン氏だ。「キリスト教に遅れること５００年、イスラム宗教革命を引き起こしたのは、かつての印刷術にかわ　るインターネットの急速な発展だ」と主張する。

「インターネットによってイスラム指導者による宗教的解釈の独占が急速に侵食され、若者たちが目覚めたのだ」

今後の国づくりにおいて、分岐点に立つ中東。ムバラク政権が倒れるまで一丸となっていた若者団体も今後の政治参加について意見が対立し、分裂している。「政教分離した民主的で穏健な国家を目指すのか、原理主義を標榜する過激な国家を目指すのか、予断を許さない」と指摘する専門家もいる。ネット中継でエジプト・カイロ大学の教授、ムスタファカーミル氏とつなぎながら、この中東革命とは何なのかを、そして世界に与える影響を探っていく。