過去の作品

「再会 20年後の君たちはー」

1991年暮れ、日本在住の写真家ブルース・オズボーンは、東京に住む10代の子どもたち76人を対象に「一番自分らしい格好」をしてもらって写真を撮りました。それから20年、オズボーンは再び「一番自分らしい格好」の写真を撮ろうと彼らの行方を捜しています。バブルの崩壊や大震災など様々な出来事のあった激動の時代を経て、彼らがどう生きてきたのか、自分の目で確かめたいとの思いからです。

ヒップポップ風の姿で写り、自由に生きたいと奔放な夢を語った少年(当時19歳)は、その後、大きな事故に巻き込まれ九死に一生を得ました。いま人生観を180度変えて生きていると言います。また、能楽師の姿で写真に納まった少年(当時14歳)は、実は後継ぎに運命づけられていることに反発を感じていました。しかし、とんでもない失敗をきっかけに伝統芸にチャレンジしていく覚悟をしたと語ります。さらに、歌劇団のスターを夢見た少女(当時15歳)は、ある挫折から思いもよらない波乱万丈の人生を歩むことに。

20年ぶりの撮影会に参加したのは16人。果たして彼らは、どんな「一番自分らしい格好」をして撮影に臨むのか。オズボーンと彼らの再会は、彼らにとって20年前の自分との再会でもありました。20年の歳月が、彼らをどう大人に変えたのか、その歩んだ道をたどり見つめます。

ディレクター:後藤和子  プロデューサー:山根幸太郎   AD:藁科直靖