


天安門事件から10年 西側諸国へ政治亡命した「民全化のヒー口一」たちはいま、
何を考え、当時をどのように振り返っているのだろうか。
国を捨て家族や友人を残して、
自由を得た亡命先で彼らを待ち受けていたもの、
それは予想だにしなかった国際政治の変化と厳しい生活だった。
東西冷戦の終結、クリントン政権が打ち出しだ経済中心の政策、
そして急速に進んだ米中接近で、世界情勢は大きく変わってしまった。
理想に対する失望、経済的苦境、そしてつのる望郷の念、
亡命者たちの心は大きく揺らいでいる。
ニューヨーク州を中心とした米国各地には
「民主化のヒーロー」たちが亡命者として暮らしている。
亡命者たちは学生、知識人、労働者それぞれの立場で政治活動や生活の基盤を作り、
中国民主化運動を続けてきた。
10周年を記念しNYに復元された民主の女神像
しかし国際環境の変化とともに、亡命者たちへの支持者は次第に減リ、
彼らを経済的に支えてきた寄付金も集まらなくなってきた。
亡命者のなかには、国際社会から見捨てられたという感覚感を持つ者もあらわれた。
彼らは、そもそも実生活では言葉や文化の違う米国での生活に容易に溶け込むことはできなかった。
英語ができず満足な就職先も決まらない。
中国大使館からはパスポートも発給してもらえないので、帰国もできない。
中国では有名人だと自負していた亡命者が、ここではただの貧乏な外国人になるとき、
心理的な重圧に打ちのめされそうになってしまう。
番組の監督・李文波(45歳)
北京電影学院を卒業後、1986年渡米。
シカゴ・コロンビア学院映画監督修士課程を卒業し、シカゴを拠点にテレビ番組の制作活動を統け、
アメリカ社会と中国人との関わりを中心とした作品を手がけてきた。
その彼が10年という歳月のなかで、改めて中国を取り巻く国際環境の変化を振り返りながら、
亡命者たちの人生や志の変化をたどる。
「民主化のヒー口一」たちが、自らの運命と時代の流れに翻弄され、自由への代償に
苦悩する姿を浮き彫りにしながら、天安門事件が人々に投げかけたものを探っていく。
取材した主な人物
蘇紹智 76歳
元中国共産党マルクス・レーニン主義研究所所員。
亡命後はプリンストン大学の学者として受け入れられたのだが…。
李
禄 32歳 金融ビジネスマン
実質的な学生運動のリ一ダー。
当時、天安門広場で結婚式をあげ話題となった妻とは米国亡命後に離婚。
孤高の人生を歩む複雑な心の揺れがあった…。
ナレーター 芳野潔 共同制作
NHKきんきメディアプラン
STAFF 演出 李文波 取材
双 民 撮影 江 山 技術
トップスピン スタンドアップ
演出補
兼田早智子 プロデューサー
松井秀裕 仁平雅夫(NHK大阪)